妖精医院/
丘白月
新しいお薬が出来たよ
森の妖精医院から
真夜中に声が響き渡る
眠っていた虫たちは目を覚まし
サルスベリの木が揺れた
星の欠片を粉にして
天の川を一滴
ミツバチから甘い花の蜜
最後に妖精の言葉で包んで
眠るあの子へ飛んでいく
涙を頬に残したまま眠り
妖精に注文した薬を待っている
朝日が窓辺を訪ねて来る頃
きっと口元は笑っている
新しい恋の入り口を見つけたから
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