NHK/はだいろ
 

どんなタイトルでも詩はかけるさ、
とあの子は俯いて
じゃあエヌエチケーで、とぼくが砂を指でなぞったとき
遠くけむった空のスカートの裾のほう
さみしい集金人の穴の開いたポケットから
ふとこぼれ落ちた舐めかけの飴玉が
アパートの階段の一つ一つに
小さな虹をかけるのを、ぼくは見たんだ
それから閉じられようとする
きみの扉の隙間にも





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