天気の子リライト/はだいろ
 



そうすると、残りの一つの方法。
主人公の男の子の、自立をテーマとするしかない。
手塚治虫の、「るんは風の中」という短編漫画の名作があったけれど、
そっくりああいうテーマでやるという方法である。
つまり、
自分の殻に閉じこもっていた男の子が、
特殊な能力を持った女の子と出会い、心の扉を開いてゆくが、
女の子は世界を救うことと引き換えに消えていってしまい、
その喪失を受け入れることにより、
少年が少しだけ、でも確実に大人になる、という話。
たぶん・・・監督は、
こういう話を、「ありがち」だとか、「陳腐」だとか、
思うタイプなのかもしれないけれど、
それは間違いだ。
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