おどけた街の少女/
ふじりゅう
さな小雨が
おどけた街を照らす
こんな日に傘もささずに
シャボン玉を贈る少女ひとりだち
砂利の詰まった靴で
軋む夕日を待ち望み
淀みを消そうとしているだけ
君は雨遊びを浴びていれば
それでよかったのに
それでも行くのかい
飴玉転がしながら
颯爽と自転車で
私の捨てた表現を
得たいだけの旅に
浮流する人間の恋の残骸を
拾い集めている
立ち上る声届かぬ有様を
ずっと見つめている
戻る
編
削
Point
(0)