アングラ演劇ラストツアー/文学特攻隊
ボオドレエルの詩がアングラ演劇で上演されることになった。
私は必死になって地下室で詩を暗記した。
阿呆船館とよばれている劇団は統率がとれている。
演出家は鬼のような形相で灰皿を投げつけてくる。
痛い、痛すぎる。まるで厨二病にかかったポエム。
アッパーをくらわせられたレバーのように後に残る。
開演されるとまるでそこは暗闇の中のサーカスでした。
白が黒に変わる時、みんなはどう思うでしょうか。
ひりひりとした言語世界。
舞台ではセカイ系ともてはやされているアイドルたちが、
這いつくばって踊っていた。
出番、待ってましたと言わんばかりの私の登場。
人生初のイタイ視線。
観客が私を貪るように喰いものにした。
もっと、もっと喰べてよ。
もうすぐ闇の奥がやってくるから。
ヤバイ、ヤバイ日常生活にもどれないぞ。
ブザーとともにカーテンコールとともに、
明日の残酷がやってくる。
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