芙蓉の妖精/丘白月
 


庭で芙蓉に話し掛ける
ロングスカートのあなたは
椿の枝に隠れて歌い
話しかけるスズメにさえ気づかない

静かで透明な朝日が
まだ眠る蕾をくすぐる
白い花びらは雨が降れば
溶けそうなコットンのよう

八月の空が降りて来たら
あなたは芙蓉の妖精と一緒に
乗り込んでしまいそう
だって白いスカートが
花のように赤くなっていくから

妖精はゆっくりと魔法をかける
大事な人を連れて行かないでおくれ
スズメが妻の肩に止まって
僕の気持ちを合唱してくれた



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