初雪草の妖精/
丘白月
お葬式が終わり
一人になった夜
星空から雪が降ってきた
ふわりと目蓋に一枚の雪
溢れるように涙が生れた
雪の精になったのか
今年も初雪草が咲いたよ
夏の雪はすぐに解けて
葉の先に少し残るだけ
夏の初雪は遺言のようで
言葉が読めなくて
真っ白な妖精が代わりに
夜通し歌っていた
あの夜の初雪のように
ありがとうと聞こえた
ありがとうと言った
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