8月の銘/丘白月
 


襖を閉めた指先が
部屋の空気に合図する

神聖でありながら
和やかに行き渡る
炭が重ねられ

小さな窓の向こうに
川辺の芦が見える

朝露を溜めた朝顔が一輪
おじぎをしている

浦風が畳を滑り
小さな湯気と踊る


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