生首/中原 那由多
トランプで
あるかのように
決まったカードで立ち向かう
待ちくたびれて
ひゅるりらどんどん
匙を投げる3秒前に
今日の終わりがそこにあった
君が着ていた白い浴衣に
蓮の葉開いて極楽浄土
赤
白
黒
の
えら呼吸
が
縦横無尽
(手拍子)
襟足を?き上げるように洗ってみれば
炭酸が弾けているかのように
白い泡玉が跳ね回っている
嗚呼、今晩は酒が飲みたい気分かもしれないと
飲めもしない缶ビールをプシっと開けて
一口飲んでは
ハハ、やっぱりまずいなと
泣きながら笑っている
君に握らせた出刃包丁は
結局のところは振り下ろされることもないまま
錆びついてほころんでいく
さようなら、さようなら、さようなら
僕はまだいつまでも
首を長ーくして
その日が来るのを待っている
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