あなたを感じて/丘白月
 

月夜には妖精になって
窓をすり抜けて
会いに来ると言って
あなたは笑う

手をつないで
同じ星を探して
花に話しかけて
妖精がいると言って
あなたは笑う

遠い水平線の果てを
じっと見つめて
あの向こうに
流れて落ちると
あなたは怖がった

いくつもの
小さな想い出を
忘れないでと
妖精が毎日
枕元に運んでくる

二階の窓からも
見えるほど
大きくなった
あなたの椿

目が覚めると
あなたが窓辺に
いるような気がする


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