悲しみもなく/
帆場蔵人
苦しみの吐息に
吐息を返しては
沈黙を掌に掬い
いたわっている
理解は出来ず感じることしか出来ない
砂粒ほどの些細な重みが
僕に付着して堆積していく
払いのけることもなく
あるがままに
なすがままに
ふりつもり、ふりつもり
やがてあなたが苦しみの吐息を忘れて
天にすべてを返す時まで
わたしは待っている
沈黙を掌に掬い
手を合わせると
そこには全てが
集まって弾ける
ぱんっ、と命が天に流れていく
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