水源地/
ただのみきや
る
嫉妬すら乱反射
大気の宝石から羽化した娘たち
わたしの嘘と戯れ競え
昼の光は視覚で操る
見ているものをも見る己をも疑わず
互いを言葉で縛り合う堂々巡りの果て
闇は訪れる 堰を切ったように
肉体の木霊
皮膚の細波が
眠りへと誘うまで
尚もわたしは刃物を握る
もう己と空白しかないにも関わらず
辿り着けない
水源地まで
《水源地:2019年7月28日》
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