月の声/
秋葉竹
その冷気に驚いて、振り返ると
君はその夜も凍っていた
孤独は冷たく瞳のはしから
ひとすじツーって流れ落ちたね
うすい赤色の唇が、吐息を漏らすのは
しあわせという嘘を舐めつくしたあと
それで、自分が嘘つきだから、
いつも、凍って、泣いている
うすいあの真実への情熱に
溺れっちまったという、月の声
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