その夜/こたきひろし
 
その夜見た夢の中では
終始一睡もできなかった。

真っ青な大空の下で
気が遠くなっていた

真っ青な大空の下で
空中ブランコのイスにすわっていた

ブランコが大きく揺れるから
私の体は振り子になっていた

その夜
私が見た夢は
空中ブランコの夢だった

でも
夢の中では
舞台が直ぐに回る

私は
殺風景な部屋の中で
寝台の上に横たわっていた

私の側には
もう一人の私が立っていて
じっと私の顔を見おろしていた

どっちの私が本当の私なのか
わからない

もしかしたら
二人の私がそこに存在していたのかも

夢の中だから
何でも有る
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