海からの光/
草野春心
あの時のきみがずっと
ぼくの傍でねむっている
少しだけ、雨の匂いをさせて
笑いながら喋りつづけた
言葉はむなしい闇にのまれた
若く優しいだけでいられた
ほんの束の間
みえない汽船に揺られていく
記憶のなかで 何度もぼくは振りむく
海からの光がきみの頬ではじける
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