近親憎悪/こたきひろし
を未だに引きずって生きている。
もしかしたら俺は間違っているのかもしれない。
俺の足が良くならなかったのは貧乏のせいで医者に連れて行けなかった父母のせいじゃない。
俺は成人してから自費で自分の足を医者にみせた。
そうする事に抵抗はあったし怖かったけれどさ。
整形外科の先生に言われた。「子供のうちに治療しておけば何とかなったかも。もう手遅れになってる」
さすがに先生は親を恨みなとは言わなかった。
でもでもだけど、俺の心の腸には近親憎悪の影が染みのように広がって、消し去る事は出来なくなってしまったのだ。
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