詩綴/両性具有
詩を書く
声にして言葉にせず
文字にたくす
叫ぶように
囁くように
人の見るものを見ず
見えないものを溺愛した
僕のなれの果てを
誰かに吐露するために
詩を書く
念じるように
祈るように
声にしたことのない声を
手紙にするように
誰に当てた手紙でもなく
ふとそれに目をとめた誰かを君とし
綴る宛名のない思いの丈
詩を書く
目をつむった瞼の闇に
目をひらくように
抗い拒むことが
生きることだと信じるように
いかな嵐が胸に吹き荒れようと
それでも残り
再び息づき始める
言葉を紡ぐことへの愛に
終わりのない責め苦を頂くように
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