小鳥の巣/丘白月
 

叶わない願いを夢見て
心に固く鍵して
一喜一憂してきたわ

そう私は大好きで
何も言えなくて
あなたはたぶん私のこと
何とも思ってなくて
だから気楽に話しかけてくる

言えない言葉を閉じて
栞も挟まない
まるで手紙のような日記

出逢えただけでいい
笑って追いかけて
花が散って新芽が咲くように
ただ自然な出来事
だから心配しなくていいの

いつか好きだったと
泣かずに言えて
言葉も交わさずすれ違う

神様の冷蔵庫には
きっと私の涙がある
幾つもの四角い氷になって
雨になるのを待っている
あなたは私の傘まだ持ってるの

叶わない願いと知って
好きを半分に分けて
あなたの隙間に置いて来たの

あなたの口笛が遠ざかる
鳥が飛び去っていく
大好きな小鳥が


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