ゆう君/
末下りょう
蝉が鳴いたしだいに
夏のみすぼらしさを飾って ぬけ殻をくわえてくるってゆう君
小汚い綴れ織りや押し花を蒐集して
あしの爪をのばしっぱなしなのに
やっぱしさみしいのかしらんって
だれかさん よんでそう
そういいたいとゆうきもちのきみと一緒にってゆう君は
ジバンシィの紙袋んなかにまるまって眠る
ゆう君。
夏のトマトみたいに好きだよ
ぼくの仕事はブレーキをかけることだけど 腕でやることはできないんだ
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