逝ってしまったあなたと/丘白月
 

枕元に紫の煙
懐かしい気配
一晩だけ許され
あなたは
天国から降りて来た

手をとりあって
窓を空けて飛び降りる

香炉の灰がゆらゆらと
轍のように後からついてくる

二人まるで雪の中をあるいて
暗い宇宙を昇っていく

銀河の渚で貝を拾って
耳にあてたら唄をきく

千年前の唄を懐かしく
何度生まれ変わっても
忘れない唄を口ずさむ



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