クレジット・ワン/佐久間 肇
魔化す。
そうだ。ちょうどジャングルにさしかかった頃だ。ひとりめの女が見つかったのは。
あれはジャングルに似合わず暑い日だった。
赤い川を飛び越えても白い月が見張っているような気味の悪い味気なさだった。
どうやら気を急いているようだよ、と、女に急かされて家路についてみれば、
とうの男たちは散り散りに砕け散って、拾い集めるのに苦労したではないか。
それでもネックレスのトップだけが見つからず、
代わりにみかんを繋いでみたら、
そこはもう異空間漂う四次元ポケットで、
ドラえもんに成りすましたホリエモンを捕まえるしかなくて、
株式の行方はドラマチックに富士山を描いている。
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