都市の伝説じゃなくて/こたきひろし
 

すると父親は不適な笑みを浮かべた。
「そうはならないんだな。世の中には暗黙の了解ってやつが有るんだよ」
社会が状況を飲み込んで黙殺するのさ。
と冷たく言い放った。その証拠に俺のお袋は七人産んだが、その内の二人は死産だよ」

俺は父親の話に耳を傾けながら背中が震えだして止まらなかった。
お前たちは無事に産まれて育ったんだから、感謝しなきゃなと父親は言った。
そしてつけ加えた。「この俺に」


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