鳥/ああああ
オアシスの波打ち際を飛び立ちはじめた鳥たち
が足取り軽やかにアジトにたどり着く頃に
コロニーにようやく帰ってくる。
砂漠でも冷たい風って吹く。
舞っていた一枚のかみっ切れが
降りてきたんです借り家に。
そこには細かい字で詩が書いてあって
今日一日でかいた汗
洗い流したような気分になったもので
恥ずかしい感傷がだだ漏れの
涙がでてきてしまったのです。
この気持ちをなんに例える。
それ以来ぼくも詩を風に飛ばすくせがついてしまい
どこにいくにも紙とペンをつい携帯
散文を風に飛ばすくせがついて以来
ぼくは詩人になってしまうのです。
スペイン語で三まで、ウノ、ドス、トレス
数えて手を離すと
丸めて固めた鼻くそ
なんかよりずっと軽やかに紙は舞って
そこには細かい字で詩が書いてあって
どこかのだれかに届いたら
その人を恥ずかしくさせてしまうと思います。
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