氷の節句/
丘白月
蝉の声が空に重なる
秋が匂う古い和紙を広げ
朝顔の種に夏の風を置く
水無月の氷室
竹林が滝のように響き
氷が波音から運ばれる
笹の葉を一枚
逢えないあなたを想い
墨を乗せても流れるばかり
季節の半分を
満月の夜に読み返して
池の蛍がもう半分占う
戻る
編
削
Point
(1)