坂の終わりに/丘白月
長い坂道を夕日が
駆け下りてくる
木々を草花を燃やしながら
並んで歩くあなたの目も
ルビーのように揺れている
強く光るのは涙のせいなの
それとも私が泣いてるから
赤い目で港を見下ろしてる
カモメが夕日に止まり
いくつか詩を詠んでくれる
懐かしい詩も新しい詩も
まつ毛を濡らす赤いビー玉に溶けて
いつか歩いた道も
こうして歩いてる
ただ二つの星が
色褪せない夢を
一つの同じ夢を持ってる
ベガとアルタイルのように
逢えないと知って夢をみる
夕日の中のあなたは
記憶の中で笑っている
赤いビー玉が転がる先の
坂の終わりに見つけるのは
あなた行きの港
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