身辺雑記と、詩について思うこと/田中修子
想え、と祈る。
想像が、どこにでもあることを。想像するとき、それは確かに私の内側にあることを。世界中の人が、ある日いっせいに、花咲き乱れ鳥の啼く、雨音が優しく、銃声はなく、子どもらの笑い声に満ち溢れた世界を、けっして帰れない愛しい故郷への郷愁を、一瞬でも想像したのならば、その想いによって、世界は彩られることだろう、と。
たくさんの大きなことを思い、大言壮語してみて、私はパソコンを閉じる。これから、お皿を洗ったり、久々に晴れたので、洗濯物をする。あたらしい柔軟剤を買ってみた。
とても無力で、とても小さくて、とても強いもの。細かな日常の積み重ね、それが、光り輝くような詩のようなものであることを。
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