バス停 第8話/丘白月
詩的連続ドラマ 第8話
雑貨屋さんの中にある
貝細工喫茶で紅茶セット
カモミールのハーブが緊張を溶かしていく
今度は一人でも寄ろうかなと
そう思いながら
智子はケーキを頬張った
黄昏がおとずれて
街にぽつりぽつりと
看板に火が灯り始める
お目当ての靴と日記帳も買い
一人で気ままもいいけど
楽しかったと思った
バスを待ちながら敦子は言った
智子さんこれからも仲良くしてね
私は子供がいないから休みの日は私も
アパートに一人なんですよ
めったにないけど
回送バスも遠慮なく
掴まえて乗ってくださいね
えっ 知ってるの?・・・
伊藤君どこまで話したのかな
夕日を浴びながら
遠くにバスが見えて来た
カモメが並んで飛んでいた
つづく
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