小さなララバイ/りぃ
 

 あの子はいつも助けを求めてて
 ずっとママを欲しがっていたけど
 朝食のトーストとミルクに当たったりしなかった

 赤いランドセルを背負って
 玄関の扉からそっとママを振り返ったけど
 あったのはテーブルの上の置手紙だけだった

 学校で嫌な事があった日も
 放課後一人で泣いただけで
 決してママに言ったりしなかった

 一日が終わり眠りにつく頃
 絵本を持ってベッドに入ったけれど
 くまのヌイグルミに読むためで
 ママに読んでもらう為じゃなかった

 ちいさな星が輝いて
 家の扉が開いたとき
 あの子はもう眠っていたけど
 
 覚えていて
 あの子の為の小さな子守唄
 
 ほら、ママが唄う声が聞こえる…


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