永遠/両性具有
 
永遠は信じない
君はそう言ってわらった
綻びある命だから
そう言って本を閉じた
セックスが終わって
虚ろな闇だけがのこった
雨の音と吐息と
汗に濡れた髪が冷たくなって
夏のなかに夏を失った

劣情と愛情
四肢なき蛇がのたくるような
そんな絵が生まれ落ちた
鋼がこすれるような音のなかに
かろやかな君の羽音がまざる
その音を逃さないように
ぼくは目をつむり耳をふさぐ

硝子の瞳で
君の翅の模様をとらえたまま
ぼくは
君に暴かれた白い骨を
煌々と月に浸しながら
恍惚にのけぞった
そして
永遠のなかに永遠を失った




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