身だしなみ/末下りょう
レトロをよそおう目覚まし時計はいつのまにか目玉焼きに変わるのだ
地球は日々年老いてくのに人間は日々進化してるってたまに寂しいね
強なのに弱みたいなドライヤーじゃなおらない寝癖をなおす動きをして
朝の脳細胞は暗い完全なミラールームであるので
風にあたる頭皮だけがくさい
明かりよつけつけ
マテリアルの故郷はマテルなんだろか
フォトニック結晶じゃない気はする
反射と屈折と影と熱の緊張が君にきっと会わせてくれる
いつか
はじめて物質の故郷に帰れる気もする
主観的な神経系の客観的な大脳系に対する優位によって
穴が生まれそこに風が生まれリズムが生まれて沈黙を飛びこえる
ピョーンピ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(0)