君は蛍、夜を泳ぐ/中原 那由多
 

落ちる
血液の循環
命の実感
枕の裏側へ、その奥を目指して
どっ、どっ、どっ

蜻蛉の眼鏡であるかのように
虹色で
逆さまの
景色はそっと散らばった
六角形に散らばった




散らばった
青いシャーベットが歯に沁みたような
冷たい億劫を余所目に見ながら
ガラス玉を掻き集めた
月が落とした



の隙間を掻い潜る
淡い葛藤、ラムネ瓶
飛び跳ねた浪漫に心が踊れば

君は蛍、夜を泳ぐ
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