約束/こたきひろし
死ぬのは怖い
死ぬのは怖い
死ぬのは怖い
なんとしても死ぬのは怖いから
何とか死を回避する方法はないものかと
あれやこれやと思いを巡らしながら
何とか今日まで生きてきた
死ぬのは怖い
死ぬのは怖い
死ぬのは怖い
死んだ人の焼かれた骨を拾って壺に入れる度に
自らの死後の姿を想像をして身が震えてしまうんだ
死ぬのは怖い
死ぬのは怖い
死ぬのは怖い
そんな私にだって
死ぬ以上に
生きる事を怖れた時代が
たしかにあった
でもそれは
ずっと
ずっと
思いだしたくなかったから
いつのまにか
都合よく忘れてしまった
死ぬのは怖い
死ぬのは怖い
死ぬのは怖い
どんなに死を怖れても
死なずにすむ方法見つからない
果たして私は
その死の直前に
混沌として朦朧としてしまう意識の中で
死の一瞬を確かめる事が出来るだろうか
わからない
わからない
わからない
まだ
確実に生存権を
主張してやまない
私に
解る筈がない
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