だいどころ/田中修子
 

骨。うちよせる澄んだ波が骨を洗うような貝の白は骨の色。

あんまり 憧れすぎて ほら、
胸のまんなかが
きん色に 満ちて 満ちて 焦がれて

--そこに、あなたがいたから。

ずうっと、あなたが、翠色に澄んだ汀に散らばって引いては寄せる、紫陽花のいちばん青い萼のように、死んでいて、くれたから。赤く燃え上がる後ろ髪ひかれながら、眩しい積乱雲を切断しながら、想い出をかかえていたのは、ひたすらに唇でなぞってはなぞって、そこに言の歯が、はらはらと、はらはらと、噛み痕をつけて歩いていくように

--又、あのひかりへと、あるきだすんだ。
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