バス停「第一話」/丘白月
 
詩的小説「バス停」


新しいこの街で一人で生きていく

近くのバス停で時刻をメモする

バスが停車して扉が開く

「すいません乗りません」
「メモしているだけで・・・」

笑顔の運転手は同級生

「あっ!」と言う間もなく
去っていくバス

明日から逢える
気づいてくれるだろうか

卒業してもう十年も過ぎて
だけど私は知ってる
あなたは結婚したって

告白した遠い秋の日
私はあの日のままなの
毎日乗るわ
だってバスが・・・
一緒になれる部屋だもの


戻る   Point(2)