ばらばらに固まり、渦巻いて飛び散っていく/ホロウ・シカエルボク
過ぎない、余計なことではあるが聞いてほしい、己の主張のために他者を利用するものは、やればやるほど自分を疎かにしてしまうものだ、ブランド物を全身に纏っている人間が、おおむね大した人間ではないのと同じことだ、表面的な目的は表面的な結果にしかならない、それはもちろん実力とは関係のない話だ―時折、ひとりの人間の中に数人の人格が潜んでいる、なんていう人間が話題に上るけれど、よく考えてみればあれはそんなに珍しいことではない、少なくとも俺にとっては、ただ、やつらにとってはそれは自分と別人の集合だけれど、俺にとってはいくつもの俺の集合なのだということだ、俺の場合は、基本的には三人の俺で動いている、動く俺と、見つめ
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