それでも、この生命あるかぎり/坂本瞳子
不条理な
世の中にこんなにも不条理なことがあるものかと
打ちひしがれてしまいたくもなることを否めやしない
駄々っ子のように
いじけて拗ねて捻くれて
大いに不貞腐れて
八つ当たりまでしてみても
荒んだこの心が救われることはない
大声を上げて泣き喚いてみても
嗚咽を殺してさめざめと涙を流し続けても
地団駄を踏んで
空に向かって唾を吐き捨てようと
この気持に陽が差し込むことはなく
誰も傘を差し伸べてくれはしない
向かい風に撃たれながら
両目を大きく見開いたまま
朽ちてゆくことを夢に見て
明日に絶望を覚え
いまを生きる
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