旅の終わりに/嘉野千尋
 
 何度も書き直しながら月日を過ごした


   光のスピードで
   旅をする言葉たちが、
   迷いながら軌跡を描いている
   今日という限られた時間の中にも、
   羽ばたいていく幾億の言葉があり
  

   遠くまで旅をしなさい
   たくさんの人に出会い、
   たくさんの想いを背負って
  
  
   そしてその長く短い旅の終わりに、
   どうか彼女の元に
   涙のない夜を届けてほしい


   喜びも、優しさも、喪失も悲しみも
   そのすべてを携えて



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