黄昏のマリアベール/丘白月
夕焼けの公園で
見えるものすべてが
影絵になって
私は千切れそうな人形
鳥が巣から見下ろし
虫達が葉の下で見上げる
風が髪をかき上げて
踊れと言うけれど
はぐれた妖精のように
ただ花の蕾で眠りたい
夕焼けの紫雲が
もう今日は終わりだよと
幕を下ろそうとしている
私の色に似て怖くて
でも美しくて泣けてくる
周りの花に
想い出と名づけて
心の花瓶に一本ずつ挿す
花びらを縫い合わせた生地が
マリアベールのように
私を包んでくれる
優しいのねあなた
愛をありがとう
今なら踊れるわ
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