三匹が斬る〆 現代詩フォーラムランダム道中千人斬りの巻  其の壱百四拾九〜其の壱百六拾/肉球マニア
 
作家とはどういう人たちなのだろう。
だいぶ以前のことだが、田久保英夫(1928〜2001)の「小説創作」のセミナーに通ったことがある。そこでは「小説家はひとでなしだからね」が彼の口癖だった。「ひとでなし」は、小説をかくために多くのことを犠牲にしたり顧みなかったという自嘲の言葉であろう。ときには人間的な心さえ捨てなければならないこともあったかもしれない。
映画「ゴッドファーザー」の原作者、マリオ・プーゾは「家庭の不和を仕事にもちこまない。翌日さっぱりとタイプライターに向かえないようなら妻を捨てる」と言い切っている。
作家とはやはり鬼のような連中だ。
私には一篇の詩のために愛するものを捨てるな
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