神業のようなものだから/朝焼彩茜色
 
いていく
首を左右にしか振れず空と大地が見えない
酷使の中に酷使の斑点がぶつぶつわいてくる

ある日もう何に怒っていたのか忘れたけれど
掃除機をばんばん床に叩きつけて私は子供に
怒鳴っていた
そして私は警察を待っていた



来ない

幼児虐待の疑いで通報されたと思っていたけど
警察は来なかった
ご近所さんも関わりたくないよね
どうしようもなさを どうにかしたく
私は子育てホットラインに電話した

「お母さんよく電話かけてくれたね ありがとう」

きっと自分はこれからも赤点で合格なのか
時に確かめたりするかもしれない

あっという間に巣立ちゆくであろう子供たち
母歴5年 人生がより不思議さを増してゆく
その不思議さを想う時間は今はあまりない

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