君の海/
両性具有
刈り入れの終わった麦畑に
白い月光が降り注いで
女の裸が踊っている
ぼくは二階の窓に足をかけた
出来損ないの人形で
アスファルトの上に踊りながら落ちて
小さな青い海を広げた
星と月がせせら笑う
夜空くらいの深さを抱いた
空ような海、けれどそれが
僕が想像したたった一つの海だった
君のための海だった
その海が渇いて消えないように
今夜も
僕は心臓をえぐって水を足している
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