暗闇と明かり/ハァモニィベル
 
その日、暗闇はすべてを覆い尽くした、と思っていた
あらゆるモノが皆、暗闇を背負い
その中で暗闇の底を探すのだ、と。
しかし、静寂は無限だった。
暗闇は、その静寂に無限に包まれていた


或日、暗闇の底に、雨が降っていた
闇を縫う祭のように
真夜中に 長く 烈しく 降臨した。


静寂は、やがて、その後に来た
月が一つ静かに見ていた
見開いた明かりは、何処までもただ静寂だった


静寂の数を換算(かぞ)えてみた
百年は数え切れない長さだった
蓄音機がCDになりUSB、SDに変わる


何万年か前、凍った河に沿って歩いた
樹や草も凍っていた
何もか
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