社会への不安と社会への不満が/こたきひろし
 
社会への不安と
社会への不満が
たえず燻っていても
燻っているだけで
火はつかないから
燃え上がらない

夜に娘と話していた
この国は平和過ぎるから
結局はそれを受け入れて諦めてしまうんだよ
娘よ
なかなか言うじゃないか

父親は年金だけじゃ食っていけない
から
毎日
体に激励して必死に働いている

地と汗と泪が
汚れたオイルになって
体を潤滑している

何が何だかさっぱり理解出来ないが
国には少し税金納めてる
働いているから
七十まで年金納めなくてはならない
それもこれも皆の為だし
自分の為だ

社会への不安と
社会への不満が
益々老いに滲みてくるんだけれど

だけどこれは
まさしく現代詩にはそぐわない内容だな

もっと難解な言葉をペンにして
しまわないと
きっと詩人は現実から
目を背けたい人ばかりだから

言葉遊びの好きな人たちだから


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