饒舌なハレーションの朝/ホロウ・シカエルボク
 
に言ったことのある台詞を返した、あぁ、と女は納得の声を上げた、それから俺たちは駅で別れた、今度会ったらどこか行きましょうよ、と彼女は言った、そうだな、と俺も答えた、二人とも三分の二くらいは冗談だった、駅を出て、しばらく歩いていると電車の音が近付き、離れて行った、大通りからは見ることは出来なかった、そのまま歩いているとパトカーがサイレンを轟かせながら数台、通り過ぎて行った、俺は突然、コンビニで聞いた悲鳴みたいなものを思い出した、バックヤードで泣いていた女の声、血塗れのナイフ…確信はなにもなかった、けれど、コンビニの前まで戻ってみる気にもなれなかった、陽射しはだんだんと強くなっていて、いつの間にか俺は汗だくだった。


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