眼差し/
ひだかたけし
ゆらゆらと
揺れ動く葉よ、草花よ
おまえはひねもす風を受け
静かに黙って花開かせ
静かに黙って枯れてゆく
ゆらゆらと
揺れ動く葉よ、草木よ
おまえはひねもす風を受け
遠いふるさとに抱かれながら
静かに黙って生きている
ああ 透明な命よ、透明な時よ
この歩き欲望し企てる
浅薄濁った生命体を
貫き浄化し推し進めよ
汝(な)が澄み切った眼差しで
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