病/……とある蛙
すり、君を階段に連れてゆく
中2階から2階のトイレに連れてゆく
そのときも左足から、まず、あげて
右足は足の土踏まずに手をねじ込んで
右足を1段上まで運ぶ
それの繰り返しを何度もしている間に君は漏らしてしまう
あ〜っと悲しそうな声を出して君は僕に訴える。
トイレにつくとズボンとおむつを脱がし
とりあえず便座に座らせて用を済ます。
君は悲しげだ。
僕は気にするな、病気じゃないかと励ますが、
君は首を横に振る。
そのころ毎晩繰り返す夫婦の会話
声を失った日、君は音のない声で助けて!と言った。
それが最後の夫婦の会話。
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