知らせ/Lucy
 

その知らせは
あるいは見ず知らずの番号からの
不吉に鳴り止まぬ着信であり
割り込みの権利を有する特等席の乗客のように
日常をふいに破いて届けられるので
わたしは声を失う

関わりの長さとかその深さや濃さを推し量ろうとして
記憶をたどるが
互いにどれほどの重さ
どれだけの輝きを荷し得たのかを探ろうにも

とてもお世話になったのだとか
実はいいやつだったとか
迷惑をかけられたとか
しつこくされて嫌だった
ごく表面的な付き合いだった
実は今でも許せないとか
ひとこと謝りたかっただとか
どのみち取り返しのつかない感情が
逃げ水のように浮かんで消える

すでにあまりに不確かで
彼はもうこの世に存在しない
そのことだけが妙に鮮明な
新しい事実で




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