六月十五日/
八五郎
雨が強さを増したので
ラジオの音が消されてしまった
ボリュームをあげて聴き続けるか
それともいっそスイッチを切るか
しばらく悩んでラジオを消した
雨はいよいよ 激しさを増す
仕方なく耳を傾けるが
雨音はまるで責めるかのようで
僕は目を閉じて思い出に沈む
無口だった少女のささやきを聞く
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