血の詰まったただの袋/こたきひろし
なぜ人間は血の詰まったただの袋ではないのかって
偉い作家が小説の中で書いてた
一流じゃない
二流とも言えなかった
三流だったと呼ぶに相応しかった
俺の卒業した母校は
田舎の高等学校だった
校舎は丘の上にあって周囲を林に囲まれていた
田舎の学校には珍しいのかな
ボクシング部があった
Aはボクシング部に所属していた
その実力を俺は知らないしボクシング部自体に興味もなければ関心もなかった
俺は体が痩せていて身長も低かった
性格は大人しくて従順だったから
クラスメートから格好な苛めの的になっていた
教室と言う狭くて窮屈な空間
そこで棲息する学生たちの生活には
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