依存症とその末路/こたきひろし
 
スマホを肌身離さず持っていないといられない
電話なんて滅多にかけないし
かかってもこないのに

友達も仲間も失う不安はなかった
なぜなら
生まれつき
友達を作れないし
仲間には入れない
著しくコミニュケーション能力が欠けていた
だからと言って
孤独感をこよなく求めている訳でもない

本当は寂しがってる
自分の触手で自分の内面を探ると
四方八方冷たくなってるから
だから
どうしても
心の隙間隙間を断熱材で埋めたい

俺は
インターネットに病み付きになってしまった
検索しないといられない
掲示板に書き込まないといられなくなった
それは
渇いた喉に冷たい炭酸水を染み込ませるみたい
なのかもしれなかった

置き去りにされた砂漠のど真ん中
それが俺にとっての社会の印象だ

そこから抜け出せずに
逃げ出せずに
インターネットの蜃気楼に
ひたすら
依存していた








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